予定通りに仕事が終わらない…。定時で帰りたいのに、気づけばまた残業――そんな日々に悩んでいる方に試してほしいのが「バッファ設計」です。
バッファとは“余白”のこと。余白があるからこそ、私たちはイレギュラーにも対応でき、心の余裕も保てます。この記事では、バッファ設計を日々のスケジュールに取り入れるためのヒントをご紹介します。
バッファ設計とは「ずれを前提にしたスケジュール術」
バッファとは、簡単に言えば「予定の中にあえて空白を設けること」です。予定通りに仕事が進むことなんて、実は少ない。会議が延びる、上司から急に呼ばれる、メール対応に思った以上に時間がかかる……。
こうした「想定外」は、あらかじめバッファを設けておくことで“想定内”に変えられます。余白のあるスケジュールが、あなたを守ってくれるのです。
タイムブロックで「見える余白」をつくる
バッファを意識的に作る方法のひとつが「タイムブロック」です。これは、1日の時間をブロックごとに分けて予定を入れていく方法。
たとえば、「10:00〜11:00 資料作成」「11:00〜11:30 バッファ」といった具合に、最初から“予備時間”もスケジュールに組み込んでしまうのです。
このバッファは、予定が延びたときの調整時間としても使えるし、何も起こらなければ一息つく時間に使ってもOK。予定が詰まりすぎている人ほど、まずは「30分の余白」を作ることから始めてみてください。
8割ルールで「入れすぎない」意識を
タイムブロックに加えて有効なのが、「1日の予定は8割までにとどめる」ルール。これが、通称「8割ルール」です。
人間の集中力やエネルギーには限りがあります。あらかじめ2割の余力を残しておくことで、予期せぬタスクやトラブルにも柔軟に対応できるようになります。
「このくらいでちょうどいい」と思える感覚は、効率よりも安心感を重視した働き方につながります。
前倒しで進める「自分だけの締切」
バッファ設計は、時間を貯金する感覚にも似ています。たとえば、金曜が提出締切の資料がある場合、水曜を“自分だけの締切”にしておく。
そうすれば、木曜に見直しを入れたり、突発の会議が入っても慌てません。余白があるからこそ、仕事の質も上がるというメリットもあります。
習慣化するためのコツ
最初は「もったいない」と感じるかもしれません。バッファを作ることで、予定が少なくなった気がする人もいるでしょう。
でも、大事なのは「時間を使いきること」ではなく、「必要なことに集中すること」です。
バッファを予定に入れるだけで、「焦らない」「詰め込まない」「立て直せる」の3つが叶います。無理のない働き方のベースになる習慣として、ぜひ取り入れてみてください。
まとめ:バッファがあるだけで、定時退勤はぐっと近づく
バッファ設計は、派手な時短テクニックではありません。でも、毎日の「余白」を少しずつ積み重ねていくことで、確実に定時退勤が習慣化されていきます。
- 30分の予備時間を確保する
- 予定を8割で抑える
- 前倒しでタスクを進める
- 焦らず・詰めず・立て直せる安心感を得る
「予定が詰まっていない=サボっている」ではありません。余白があるからこそ、自分の力を発揮できる――それがバッファ設計の真価です。
定時退勤を叶えたいあなたに、そっと背中を押す考え方になりますように。